店舗とECを連携したメンバーシッププログラム 顧客体験を最大化する方法

店舗とECを連携したメンバーシッププログラム 顧客体験を最大化する方法

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近年、店舗とECを柔軟に使い分けながら横断的に買い物をする人が増えています。これらに対応するため、企業・ブランドは店舗とECを別々の顧客管理システムで管理する運用から、会員情報を一元化し、シームレスな購買体験を提供するオムニチャネル化へと移行しています。

会員情報の一元化により、店舗とECでポイントや会員ランク情報を共通化することができるようになり、店舗とECを横断したメンバーシッププログラムの実施が可能になります。顧客はどのチャネルを利用しても同じ特典を得られるだけでなく、複数チャネルの活用によって追加特典を得られる仕組みも構築できます。これにより、企業・ブランドは効果的に複数チャネルへ誘導でき、顧客行動の可視化も実現できます。

本記事では、店舗とECを横断したメンバーシッププログラムで提供する特典の設計について紹介します。

メンバーシッププログラムで提供する特典の設計例

以下の特典例と設計のポイントについて紹介します。

  • 店頭での会員登録で特典を用意し、即時の価値を提供

  • 店舗とECの両方で購入すると特典を用意し、両チャネルでの利用を促進

  • 来店したら特典を提供

  • ECの購入で店頭受取を選択した際に特典を用意

  • 特定の会員ランク限定で店舗イベントを実施

店頭での会員登録で特典を用意し即時の価値を提供

店頭での会員登録は多くの場合、会計時に行われるため、顧客にとっては手間のかかる作業です。そのため、登録する価値を実感できるよう、その場で使えるクーポンや初回登録ポイントを付与することが効果的です。また、店頭ではスタッフがメンバーシッププログラムの詳細やメリットを丁寧に説明できるため、顧客の理解と活用を促進することができます。

さらに、店頭での登録者にはECサイトでも使える特別クーポンを発行することで、ECへの購入も促進できます。この際、ECサイトのログイン方法や特典の使い方を明記したカードを渡すことで、顧客の利便性をさらに高めることができます。

店舗とECの両方で購入すると特典を用意し、両チャネルでの利用を促進

店舗とECを横断して購入することは、顧客生涯価値(LTV)の向上や顧客の行動パターンがより明確に把握できたりと、企業・ブランドにとって大きなメリットがあります。このような顧客行動を促進するために、複数チャネルの購入に対して、追加のボーナスポイントを付与する仕組みが効果的です。

また、あるチャネルでの購入履歴に基づいて、別チャネルで使える関連商品のパーソナライズドクーポンを発行することで、クロスセルの機会を効果的に創出することもできます。こうした施策により、顧客は自然と複数チャネルでの購入を習慣化し、企業・ブランドとの接点を増やすことができます。

来店したら特典を提供

店舗への定期的な来店を促進するために、来店時に店頭のQRコードスキャンや位置情報の取得によって、ポイントが貯まるチェックインシステムを活用することは非常に効果的です。このような仕組みにより、顧客の店舗訪問を自然に促すことができます。

さらに、来店頻度に応じて特典をグレードアップさせる設計も有効です。例えば、月に3回来店で基本ポイント、5回で追加ポイント、10回で限定商品プレゼントといった段階的な特典設計により、継続的な来店モチベーションを維持できます。このようなプログラムは、顧客にとって来店することそのものに価値を見出す体験を提供します。

ECの購入で店頭受取を選択した際に特典を用意

ECで注文し店舗で受け取る「BOPIS(Buy Online, Pick up In Store)」サービスは、EC利用者を店舗に誘導する絶好の機会となります。店舗としては、店頭受取の際に店内を通過する動線を設計し、関連商品のディスプレイを効果的に配置することで、追加購入の可能性を高めることができます。

このような来店機会を最大化するために、店舗受け取りを選択した顧客に対してクーポンや限定商品の優先購入などの特典を用意することは効果的です。こうした特典により、単なる商品受け取りの場としてではなく、新たな購買体験の場として店舗の価値を再認識してもらうことができます。

特定の会員ランク限定で店舗イベントを実施

上位ランク会員向けの特別イベントは、ロイヤルカスタマーへの感謝を示すと同時に、他の会員のランクアップ意欲を喚起する効果があります。新商品の先行体験会、限定ワークショップなど、通常では体験できない特別な機会を提供することで、顧客との長期的な関係性を築くことができます。

こうした特別イベントは、参加者間のコミュニティ形成にも効果的で、ブランドを中心とした顧客同士のつながりを生み出す場としても機能します。また、上位会員の声を直接聞く貴重な機会となり、商品開発やサービス改善へのインサイトを得ることも可能になります。

まとめ

店舗とECを横断して実施できるメンバーシッププログラムの施策例について紹介しました。オムニチャネル化が必須になりつつある中、店舗とECの連携をベースとしながら、どのような付加価値を提供し、いかにシームレスな顧客体験を提供できるかが非常に重要になります。

一方で、すべての顧客に対して強制的に店舗とECを横断利用を強制しないことも重要な視点の1つです。店舗またはECいずれかのみを利用する顧客も少なくありません。このような顧客層が不利益を感じないバランスの取れた設計を心がけることで、より包括的で持続可能なメンバーシッププログラムを構築することができます。

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メンバーシッププログラムの導入をご検討中の場合は、お気軽にご相談ください。

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