本記事はトレンドについて発表するマーケティングセミナー「別冊よげんの書 メンバーシップファーストの時代」で取り上げたトピックの解説記事です。セミナーでは6つのトピックを取り上げています。セミナーのアーカイブ動画や、詳細データを掲載している講演資料の請求も承っています。本ページ下部のリンクよりご請求ください。

2025年、コト・トキ消費に引き続き注目。 α世代元年で「AI化」。
2025年は団塊世代がすべて75歳以上に達し、かつ、2010年に生まれたα世代1番手が15歳になる年です。特に、α世代はAIを日常的に使いこなす最初の世代となるため、2025年を節目として、消費行動も少しずつ変わっていくことが予想されます。
AI化が進むと、コト・トキ消費といった「体験型」の消費がより一層存在感が増していきます。勉強や仕事などがAIによって効率化される一方で、プライベートや遊びでは時間をかけた体験(コト)や、その瞬間を楽しむトキ消費が好まれるようになるからです。
お金を払って仕事をする「大人のキッザニア」が流行りに。
そんなコト・トキ消費の一つとして、「大人のキッザニア」が流行っています。キッザニアは通常3~15歳が対象ですが、「大人のキッザニア」は16歳以上のみ参加できるイベントです。2025年2月と3月に東京・福岡・兵庫で2回ずつ開催され、多くの人が参加し、仕事を体験したそうです。参加する目的は、「普段と違う仕事を体験したい」や「好きなことをしてみたい」といったものが多くを占めました。仕事が休みの日に、あえてお金を払ってでも仕事をするという体験を求めているようです。
ヤマップとアークテリクスが共同でツアーの実施
仕事をする体験を取り入れた、似たような取り組みが、顧客とブランドが長期的な関係を構築するためのメンバーシッププログラムの中でも取り組まれています。2024年11月に、登山情報プラットフォーム「ヤマップ」とアウトドアブランド「ARC'TERYX」は、共同で登山道整備ツアーを実施しました。本ツアーは、山道を歩きながら、歩きづらさや危険を感じる箇所を整備をしていくというもので、もともとヤマップが開催していたツアーに、ARC'TERYXが「自社製品を使う場所のケアに関わりたい」という思いで企画しました。
山道を整備するという、ある種の仕事のような取り組みですが、こちらの参加にはARC'TERYXのメンバーシップ会員であることが必須で、同ブランドのメンバーシッププログラムの一部として実施されました。参加者はARC'TERYXをよく購入するファン層が大半。整備活動を通じて参加者はブランドの理念や価値観を直接体験でき、よりブランドを好きになったという声が多かったといいます。
このように、企業やブランドのために働くという体験は、トキ消費の一種としてコンテンツ化され、長期的な関係構築にも活用できるものになることがうかがえます。
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