ECサイトにおいて、顧客と長期的なつながりを作るためのメールやLINEを活用したCRM施策は多くのストアで日常的に行われています。特に、メンバーシッププログラムを展開している企業・ブランドにとって、メールやLINEでのコミュニケーションは重要な役割を果たします。
しかし、「会員向けにメールやLINEを送っているが、効果が見えづらい」、「どのタイミングで何を送ればいいのかわからない」といった声をよく聞きます。
そこで、本記事ではメンバーシッププログラムにおいて効果があるメールやLINEの具体的な活用事例と、最適な配信タイミングについてご紹介します。
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メールかLINEか? どちらも活用が推奨。
具体的な施策の紹介をする前に、顧客とのコミュニケーション手段として、「メールとLINE、どちらを選ぶべきか?」という議論について触れたいと思います。様々な意見がありますが、どちらも活用することをおすすめします。理由は以下のとおりです。
メールとLINEの特性が異なるため
メールは、比較的長文でも違和感がなく、自然に受けられるメディアです。すべてをじっくり読むこともありますし、サラッと読んで気になる部分だけ確認することもあるのではないでしょうか。ただし、日常的なチェックの頻度は高くないかもしれません。特に、プッシュ通知は重要なメールに限定されていて、メルマガは別フォルダに自動で振り分けられていることも多いでしょう。
一方、LINEは日本人のユーザーの多くが毎日、場合によっては1時間に複数回チェックするのではないでしょうか。企業アカウントの通知をオフにしているケースもありますが、目に触れる機会は多いと思います。ただし、関心がない長文はすぐに読み飛ばしてしまいます。そのため、メッセージは簡潔に、かつ各個人の関心に合わせた内容にすることが重要です。
どちらを好んで見るのかに世代間の特徴が少なく、個人で異なる
若年層はメールはほぼ見ず、LINEのみを使用しているという話をときどき耳にします。確かに、初めてスマートフォンを持ったときからLINEでコミュニケーションをとっており、友だちとメールでやり取りした経験が少ない世代も増えています。
しかし、実際メールをみないのかというとそうではありません。各種サービスの利用には基本的にメールアドレスの登録が必要で、重要な通知はメールで届きます。そうしたメールをチェックする際に、他の興味深い情報にも目を通す機会が生まれます。もちろん、個人によって主に使用する媒体は異なるため、若年層でもまったくメールに目を通さない人もいると思います。ただ、世代間の特徴は少ないと考えられるため、商材の利用層が若年層だからLINEだけでいい、逆に40代〜50代だからメールのみでいいとすると、リーチできる範囲を大幅に狭める可能性があります。
これらの理由から、メールかLINEのどちらかに限定するのではなく、どちらも活用して広く顧客にアプローチすることをおすすめします。ただし、予算や運用リソースの制限もあると思います。そのため、最初は一方から始めて、事業規模の拡大に合わせてどちらも検討するのがよいのではないでしょうか。
メンバーシッププログラムにおけるメール・LINEの活用事例
では、実際にメンバーシッププログラムでメールやLINEをどのように活用し、それぞれどのような効果があるのかについてご紹介します。
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プログラム内容の案内によって積極的な参加を促す(会員登録時・ランク確定時)
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特典案内によるロイヤリティを向上する(ランクアップ時・誕生日)
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リマインド配信による再購入を促進する(ポイント失効前)
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限定コンテンツ配信による長期的な関係を維持する
プログラム内容の案内によって積極的な参加を促す(会員登録時・ランク確定時)
メンバーシッププログラムは、顧客ロイヤリティの向上、LTV(顧客生涯価値)の向上に効果的な施策ですが、その前提として会員にプログラムの内容を十分に理解してもらう必要があります。
そのため、まず会員登録した際に、ウェルカムメールと一緒にプログラムの詳細を送ることで、会員特典や獲得条件、メリットを明確に伝えることが重要です。また、ランク確定時にも、改めてプログラム内容を送ることで、次回のランク確定時までの目標を明確にでき、積極的なプログラムへの参加を期待できます。
特典案内によるロイヤリティを向上する(ランクアップ時・誕生日)
ランクアップ時にクーポン配布やポイント付与、ノベルティの送付などの特典を用意している場合も多いと思います。ランクアップ時は、ランクアップの通知に加えて具体的な特典の情報も案内することで、会員メリットを実感してもらい、顧客ロイヤリティの向上につなげることが期待できます。
また、誕生日や誕生月にクーポンなどの特典の付与も効果的です。誕生日にメッセージを添えて特典を付けるとよいでしょう。
リマインド配信による再購入を促進する(ポイント失効前)
ポイントシステムを導入している場合は、ポイント失効前にリマインドメールを送ることも効果的です。多くの顧客は日常的にポイントの有効期限を意識していないため、気づかないうちに失効してしまうケースが少なくありません。
失効前のリマインドは、「もったいない」という心理を刺激し、再購入のきっかけを作ります。さらに、再購入によって新たに付与されたポイントに対しても同様のリマインドを行うことで、継続的な購買サイクルを生み出すことができます。
限定コンテンツ配信による長期的な関係を維持する
商品やブランドに関する情報を定期的に配信することは、顧客との接点を維持する重要な施策です。特に、会員限定や特定ランク向けのコンテンツとして展開することで、特別感を演出し、より高い関心を引くことができます。例えば以下のようなコンテンツを送ることができます。
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新商品の先行情報
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商品の使用方法や活用術
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ブランドやメーカーのこだわり
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開発秘話やバックストーリー
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会員限定セールの予告
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シーズンに合わせた商品の案内
これらのコンテンツ配信は、ストアの存在を定期的に想起させる機会となり、長期的な関係構築に繋がります。
可能な限りパーソナライズされたメッセージを送る
ここまで具体的なメッセージの事例について見てきましたが、これらのメッセージはパーソナライズすることでより高い効果が期待できます。Amazonや楽天などのECモールや、動画配信サービスにおいては、過去の閲覧履歴や購入履歴から関連情報をメールで送ることは当たり前で、顧客にとっても自然なことになっています。そのため、ECサイトでも顧客データに基づいた適切なタイミングでの最適なメッセージ配信が、顧客満足度を高める重要な要素となっています。
これらを実現するために、顧客情報の取得と活用が鍵となります。購入履歴やサイトの閲覧情報などの行動データはもちろん、アンケートなどを通じて嗜好などの定性的な情報も収集することで、より個人の関心に合わせたメッセージを届けることができ、顧客ロイヤリティの向上にもつながります。これらの取り組みをメンバーシッププログラムと効果的に組み合わせることで、さらなる成果が期待できます。
リワイアでは、Shopifyでメンバーシッププログラムを導入できる会員ランクアプリ「らんキィ」とポイントアプリ「どこポイ」を提供しています。また、ブログでご紹介している各社の事例を参考にしながら、メンバーシッププログラムの設計を複数のパターンに分け、希望のパターンを選択いただくことで簡単に導入できるようサポートも実施しています。
メンバーシッププログラムの導入をご検討中の場合は、お気軽にご相談ください。